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恐縮でございます。
執事ファンデルワールス
2007/10/19 16:59

サラ様、お心遣い痛み入ります。ザブトンは8個ほど持っておりますので、
大丈夫でございます。
さて、とりあえず現在の展示物について、図録の説明を引用しますと…


マ・クベの壺(複製):
古代の武将にして美術にも造詣が深いと云われたマ・クベが収集した壺。
作者は不明だが、マ・クベの見立て通り、古代中華の国・北宋時代の逸品
と考えられる。マ・クベの辞世の言葉である「ウラガン!キシリア閣下に
あの壺を!あれはいいものだ!」の逸話で有名であり、以後「マ・クベの
壺」と呼ばれるようになった。なお、当企画展のサブタイトルも、この逸
話より採っている。オリジナルは「ブンドル・コレクション・ギャラリー」
に所蔵されている。


古伊万里の壺:
古代ジパング国の有田という場所で製作された磁器の一種。赤絵に金が施さ
れた古伊万里の典型的様式が美しい。グラールに於いては種族や惑星を越え
て高い人気があり、作品によっては数十億メセタの値がつくこともある。種
族戦争の時代、戦災を逃れてニューデイズに保管されたものが多く、ニュー
デイズで壺や皿、茶碗などが多く見かけられるのはその為である。今回の壺
はかなり質量感のある大きな作品であり、映像処理でどれも同じ壺に見えて
しまうのが残念である。


壺 de バクチ:
古代、東洋諸国に存在した賭け事に使う壺。壺の中に2つの6面ダイスを入れ、
壺の中で振って逆さまに畳の上に置き、中のダイスの目が合計で奇数になって
いるか、偶数になっているかを当てるゲームに使用された。グラールではカジ
ノ・スタイルと呼ばれるルーレットやスロット形式の賭け事のみが伝えられ、
この東洋形式の賭け事「バクチ」は歴史の彼方に消えてしまっている。今回の
展示物の中では唯一焼き物ではなく、植物繊維で編まれた珍しい壺である。映
像処理でどれも同じ壺に見えてしまうのが誠に残念である。

余談だが、この「バクチ」で壺を振るディーラーは女性が勤めることもあり、
その様な女性は「アネゴ」と呼ばれていたようである。その格好はちょうど、
おみくじ巫女のハカマを履いて、カジノの店員の様に胸に布を巻きつける(こ
の布は“サラシ”と言うらしい。胸を隠すのになぜ「晒し」なのか、古代語は
難しいものだ)スタイルだったようだ。どうやら時代や文化を越えて、賭け事
に於ける女性の格好には似てくるものがあるのだろう。


景徳鎮の壺(染付):
古代中華の国の景徳鎮という場所で製作された磁器の一種。染付という技法で、
白い磁器に藍色で美しい蔓草模様が繊細に描き込まれている。景徳鎮という場
所は官窯(公立の焼き物製作地)であり、青磁、白磁ともに有名である。これ
は景徳鎮にあるカオリンという山から、焼き物に適した良質の土(山の名前を
とり、この土自体もカオリンと呼ばれる)を採掘することが出来た為である。
この染付技法による白と藍の配色は「サムライ」達に大変人気が高く、かのド
ウセツ、テンガイ、キコク等の名だたる刀匠達も収集していたという。現在で
もニューデイズでの人気が高い。映像処理でどれも同じ壺に見えてしまうのが
本当に残念である。


景徳鎮の壺(紛彩):
紛彩という技法で色付けされた景徳鎮の壺。染付技法と異なり、紛彩は極彩色
の艶やかさが醍醐味である(その華美な雰囲気がサムライには嫌われたらしい)。
現在ではパルムのヒューマン社会で人気が高く、衣服の配色デザインの参考に
されることも多いようだ。映像処理でどれも同じ壺に見えてしまうのが返す返す
も残念である。


<文責:グラール博物館学芸員ケットルベリー・フィン>

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